録画中毒が治った話

私はついこの間まで録画中毒でした。録画中毒というのは、なんでもかんでもつい録画してしまい、番組が打ち切りになるまで毎週、毎日録画してしまうという世にも恐ろしいヤマイです。面白いかどうかなどもはやどうでもいいのです、どうせ見ないのですから。新しく始まった番組なのでなんとなく録画しとこうという興味本位の第一歩から泥沼にハマっていくのです。イメージ的には鼻にテレビのケーブルをぶっ挿し、流れこんでくるデシベルを脳に取り込みヨダレを流しながら白目剥いてる感じでしょうか。
録画中毒者の主な特徴は3つです。一つ目。とにかく録画してしまうので毎月のように新しいHDDを買う。二つ目。録画に失敗すると無性にイライラする。HDDの容量も溜まりますがストレスも溜まってしまうんですね。三つ目。大事な番組の録画を失敗するという悪夢を何度も見る。溜まってる録画した番組は見ないくせに悪夢は見てしまうんですね。
しかしそんな生活を送っていたとある日、録画機のHDDに異変が起きました。「あれ?データが…ない…?ひいー、わしのデータがぁぁー…なぜ…こんなことに…。いや待て!そんなことより次の録画の準備だ!早く!早くしないとしないとグータンヌーボが始まって、グータンヌーボが、ダメだ…間に合わない…わしのグータンヌーボがわしの…」しばらく呆然としていました。しかしその時ふと思ったのです。いや…ちょっと待て、グータンヌーボがなんだ…大体なんだこの恋愛相談企画は。俺が録画したかった番組は江角マキコの恋愛の科学ではなかったはずだ。それどころか最近はしょーもない合コン企画ばっかりだったではないか!!何がグータンだっ!どこがヌーボーだっ!俺はようやく目が覚めたのでした。その日の空は雲ひとつ無い快晴でした。不思議と頭もスッキリとしています!今ならなんでもできそうな気分です!アハッ、ハハハ、ハーッハッハッハ!俺は方言彼女2(再)の録画をやめるぞ!ジョジョーーッ!
あの時は刑務所から出てきたような気分でした。今では本当に自分がそんなことをしていたのかとさえ思います。これからは私にとって第2の人生のスタートです、今度は、HDDには大事な家族との思い出を保存していきたいですね。